今回紹介するのは、このマンガ。



いきなり、話を変えますが、
作者の塀内さんといえば、
私の中では『Jドリーム』というサッカー漫画です。
『Jドリーム』は、
Jリーグが発足する直前から物語は始まります。
年齢による衰えを感じつつあった本橋は、
自分の価値を年俸という、お金で評価されることに
戸惑っていました。
そんな本橋の前に、若くてピチピチで実力もある、
赤星が現れます。

今までのサッカーを支えてきたという
自負のあるベテランと、
これからの時代を作っていく若手と、
その両方の想いがガンガン伝わって来る、
とても面白い漫画です!

なかでも、ユヅリハのエピソードは、
雑誌連載当時、私の心を鷲掴みにしまして、
一度読んだだけなのに、強烈に印象に残っていました。
(今回、思い出したらたまらなくなって、
2?年振りに読みましたが、
私の記憶の通りで安心しました。)
当時、小中学生?
我ながら渋い趣味だと思います

マンガ雑誌を読まなくなって、幾星霜。
塀内さんが書いた、登山マンガがあることを知り、
今回読んでみることにしました。


学生時代山岳部だった三上は、
結婚し、子どもが産まれたことで、
山を登ることを諦めてしまっていました。
ある日、学生時代の登山仲間の平岡が、
今も変わらず山に登り続けていることを聞いて、
少し呆れながらも、羨ましく思っていました。

同じ頃、新たな8000m峰が発見されたというニュースを聞いてしまった三上は、
山への情熱を思い出し、
平岡に再開したこともあり、
登りたいという気持ちを抑えきれなくなってしまいました。

一度は諦めた山。
自分の気持ちに正直になることを決めた三上は、
平岡と共に、日本登山隊の一員として、
未踏の山に挑戦することになったのです。

一方、学生時代に二人と知り合い、
今は三上と結婚した靖子は、
平岡に再開したことで、
気づかないようにしていた、
自分の本当の想いに気付いてしまいます。

自分で決めて、三上と結婚したはずなのに、
心の中には、ずっと平岡の存在があったことを。
二人が山に行くと決めた時、
靖子は、どちらも選ばない、
二人の元から離れる選択をします。
しかし、度々伝えられる登山隊のニュースに、
再び迷い、葛藤することになるのです。
自分はどうしたいのか。
三上に対する気持ちと、平岡に対する気持ちと。


実は、私は登山に対してあまり良い印象がありません。
なぜなら、レジャーの時期や冬になると必ずある、
遭難や死亡事故のニュースが頭にあるからだと思います。
他の人に迷惑をかけたり、命を危機にさらしたり、
そこまでして山に登る意味はあるのだろうか。
という疑問の答えがわからないから、なんです。
登ったらわかるんでしょうかね?

でも、これが読書の良いところ。
実際に登っていなくても、
情景描写や絵で、追体験できちゃうんですもんね。
想像力だけは人一倍。
このマンガで、登山をじっくり堪能させていただきました!
(実体験には遠く及ばないことは、百も承知です

壁を掴む感触。
ザイルが引っ張られる感覚。
雪崩の音。
などなど。

想像力をかきたてられ、
力が入りまくりで、
全10巻を一気読みしてしまいました。
マンガの力、素晴らしい


そして、忘れてはいけない、靖子の揺れる女心。
登山マンガに、こんな展開を持ち込むなんて、
女性マンガ家さんだからできることなんでしょうか。
賛否両論ありそうですが、
私は靖子の存在はとても重要だったと思います。
山に対する想いだけではなく、
人と人との関係も一緒に絡み合うことで、
なかなか深い物語になっていると思いました。


はてさて、三上と平岡は、
新たな8000m級の山を踏破できたのか、
靖子の最後にどう決断するのか。

ぜひ、読んでみてください。

以上、お読みいただき、ありがとうございました


今回紹介したマンガ全10巻



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